【ステップ①】苔テラリウムの作り方から育て方まで!しっかり解説「失敗を防ぐための基礎知識」

小さな容器の中で侘び寂びのある自然を楽しめるコケテラリウムですが、コケにとっては本来生息している環境で生活をするわけではないため、「思ったように育たない」といったこともありがちです。

しかし、コケは強い生命力を持った植物ですので、適切にケアをすれば容器の中でも十分に適応し、豊かな表情を見せてくれます。

000blogでは、コケの育て方〜植え付けまで、コケテラリウム完成までのステップを3部構成で紹介しています。

ステップ①ではコケにとって快適な環境、生育を促す上で注意したいことなど、容器で育てる植物だからこそ起こりやすいトラブルを含め、コケ育成の手助けになる事前情報をまとめておこうと思います。

起こり得る状態や原因を知ることで、おのずと対応策も見えてくると思います。


こんな人にオススメ
  • コケテラリウムを始めたい人
  • テラリウムにおけるトラブルを回避したい人
  • コケの生態を知りたい人

コケとは何者なのか?

コケの生態を知ることは、生育を促す育成環境や育成方法を知る目安にもなります。

色々なWebサイトでも記載されていますので、必要な解釈を踏まえて記載しておこうと思います。

コケの生態

コケの構造

コケは根を持たない植物です。

「仮根」という根を生やしますが、これは種子植物のように栄養や水分を吸収するものではなく、風で飛ばされないためのものです。

コケはその全身で栄養や水分を吸収し、光合成(光+水+二酸化炭素)により成長します。

成長速度や生育環境は種類によって異なりますが、陸上や水中、気温に関係なくあらゆる環境に適応し生息しています。

そのため、高い環境適応能力をもった植物です。

コケの繁殖

スナゴケの発芽
スナゴケの発芽

主に胞子散布により繁殖します。

胞子が発芽すると原糸体という糸状の配偶体を伸ばし、小さな芽を出します。

これはテラリウムの容器内でも確認することができ、流木や石などにも張り付き可愛らしい緑を確認することができます。

その他、株元や茎からも発芽します。

コケテラリウム制作前に知りたいこと

育てやすいコケや準備する環境、起こりやすいトラブルについてまとめています。

コケテラリウムで使うコケの種類


乾燥に強いタイプ
  • シノブゴケ:這うようにして広がる針葉樹のような和の雰囲気
  • スナゴケ:トゲトゲとした星型の葉が印象的

湿潤を好むタイプ
  • ホウオウゴケ:鳳凰の羽のような葉が印象的なコケ
  • コツボゴケ:茎から小さな葉が沢山伸びており、濡れるとキラキラと水滴が反射して輝く
  • オオカサゴケ:花のように葉がひらいており、テラリウムではよくアクセントに使用される

湿潤を好むタイプ
  • ホソバオキナゴケ(ヤマゴケ):フサフサした芝生のような葉が特徴
  • タマゴケ:線の細いフサフサの葉を伸ばし丸みを帯びた輪郭になる。黄緑色の浅い緑が印象的

湿潤を好む傾向にあるコケは葉が撥水性のある堅いものが多く、高さがあり、水が滴る様子が印象的なものが多いと感じています。

オオカサゴケなどはテラリウム使用時にアクセントとして、全体のデザインを引き締める役割を担ってくれます。

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育てやすいコケ

ホソバオキナゴケ

初心者の方にもオススメなコケは、ホソバオキナゴケです。

どのような環境にも適応し、成長も早いため非常に育てやすいコケです。

また、テラリウムのコケは季節によって仕入れ状況が変化しますが、盆栽にも使用されるメジャーなコケですので、入手しやすいのも特徴です。

容器の種類

容器の種類

テラリウムに使用されるコケはいずれも暑さに弱く、極端な乾燥や蒸れは苦手です。

しかしながら、好ましい生育環境はコケの種類によって差があります。そのため容器や土の使い分けにより環境を調整します。

容器はコケの得意とする環境によって3種類あります。

湿潤を好むタイプであれば蓋付き、乾燥に強いタイプはオープンタイプなど、容器によって湿度を調整することで、コケが過ごしやすい環境を準備します。

先程ご紹介した「ホソバオキナゴケ」はどの容器でも育ちますが、最初はクローズもしくはセミオープンの蓋つきのものがオススメです。

その理由は、植え付け直後は基本的に湿り気を帯びた状態が好ましいことと、蓋付きであれば管理される方ご自身で湿度の調整を行えるため、コケの乾燥具合や水をあげるタイミングなどを掴みやすいです。

育成時の注意点

テラリウムにおけるトラブルは蒸れや乾燥といったコケの状態異常によるものだけではなく、容器内の汚れから景観を損なうことによるものもあります。


乾燥
  • 要因:水分不足
  • 状態:コケの色が抜けて、白や薄茶になる

蒸れ
  • 要因:水分が多い、気温が高い
  • 状態:コケが湿り気をおび、濃い茶や黒ずんだ緑になる

カビ
  • 要因:高い湿度と温度
  • 状態:ワタのような白カビが発生する

  • 要因:栄養過多
  • 状態:水気を帯びた緑色の塊が土や容器内部に付着する

適度な気温、水分、光、養分が揃うと、大体余計なものも育ちます。

各種対策方法は育て方や植え付けの段階ごとに記載しておりますので、あわせてご覧ください。

まとめ

コケは非常に生命力が強く丈夫な植物です。

ただ、通常植物として想像しやすい種子植物などとは異なる構造をしており、暑さや乾燥に弱いというデリケートな側面もあります。

コケは環境が適さないと、乾燥や水濡れにより変色します。最初は「Youtubeや写真で見たものと違う感じになってしまった・・・」と、思われることもあるかもしれません。

それでも細胞が壊れない限り、何度でも発芽し成長する植物ですので、安心して手入れを行なってあげてください。

 

『ステップ②ではコケの育て方を具体的なポイントを踏まえて解説しています。』

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