今回は、「テラリウムとしての水草育成体験談です。」
近所の熱帯魚店でかわいい「水草」を発見したので、瓶に入れたらおしゃれなんじゃないか?と、思い立ち育ててみることにしました。
「育成方法の基礎知識、実際に育成した結果、準備した道具、コケと比べた時の育てやすさ」などについてお話しします。
こんな人にオススメ
- テラリウムで水草を育てたいひと
- 水草の育成難易度を知りたいひと
- アクアリウムとの違いを知りたいひと
水草は瓶の中でも育つ?
アクアリウムやコケテラリウムとの違いに触れながら、水草の育成に必要な基本情報を整理したいと思います。
アクアリウムのような環境が必要か?
結論としては瓶の中でも育てられるため、アクアリウムのような水槽環境は必要ではありません。
水草は水でも“土”でも育つそうです。
しかし、水中と空気中(土)では溶け出している栄養や成分量が異なるため環境に合わせたメンテナンは必要になりそうです。
水草の育成に必要な要素
- 光合成
- ph値:弱酸性〜中性が最適
- 栄養素:窒素、リン、カリウム、二価鉄
おさらいのようですが、やはり植物なので光合成は必須です。植物は「水、二酸化炭素、光」により光合成を行い発芽の際などに利用する炭水化物を生成、貯蔵します。栄養の供給、成長には欠かせない要素です。
ph値について
水草に適したph値は弱酸性〜中性が適しているようです。準備する水や土についてもポイントをおさえておきましょう。
- 水:水道水でOK!水道水は基本的に「中性」に設定されています。
- 土:コケ用のソイルでOK!コケ用の土は基本的に「弱酸性」で設定されています。
また、テラリウム用の土は容器の中を清潔に保つため栄養価が少ないことがポイントです。この辺りはコケテラリウムの要領で問題なく育ちそうです。
栄養素について
水草の生育には「窒素、リン、カリウム」が必要とされています。植物の生育に必要とされる3大栄養素といわれているものです。
加えて微量要素として、「鉄」が必要になりますが、水草は二価鉄のかたちでしか栄養を吸収できないようですので、コケの育成の記事でもご紹介した「メネデール」は有効かと思います。
また、アクアリウムでは魚の餌や排泄物が肥料として水草に循環する役割があるようです。
コケの場合は多くの栄養を必要としませんが、水草においては養分過多にならないように気をつけつつ栄養素を添加していくことが必要かもしれません。
店員さんに聞いた水草育成のコツ
オススメの環境は土
容器で育成する場合は湿度が高いと徒長しやすいため、横にボリュームを持たせるために、土での育成がオススメとのことでした。
また、空気中に触れている方が光合成に必要な二酸化炭素が取り入れやすいため、育てやすくなるようです。
アクアリウムの場合、二酸化炭素が不足しやすくなるため人為的に二酸化炭素を加えることもあるそうですが、土で育てるテラリウムであればこの辺りは問題なさそうです。
水はこまめに入れ替え
土で育成する場合も、コケに比べ成長が早いため、水は少し多めに入れるのがいいそうです。
ただし、水の入れ替えはいずれにしても必要です。容器内を清潔に保つことと、菌の繁殖を防ぎ根腐れなどを起こさないようにするためです。
栄養価と土について
肥料や栄養素により、藻の発生や水質の汚れにつながらないよう最初は栄養価の少ないソイルを使用し、植物の状態を見ながら液体肥料を添加していくのがオススメとのことでした。
どれくらいの勢いで成長するのかがわからないため、慎重に様子を見ながら調整したいと思います。あわせて養分を添加する際は、必要な栄養が水草に吸収された頃合いを見て、余分な栄養はスポイトで吸い出し、新しい水に交換しようと思います。
温度管理
適温は20~25度、少し低めの温度設定が好ましいとのことです。
コケ同様あまり暖かい場所は好まないとのこと、水温が高いと一気に水草が弱まってしまうようです。容器内の温度管理にも注意が必要です。
蒸れなどの対策、二酸化炭素の供給、温度管理を兼ねてこまめな換気を心がけようと思います。
水草の育て方
基礎知識を踏まえて、準備するものや基本的な育て方はコケと同じ内容で良さそうです。
ただし、肥料の配分だけはコケよりも必要な印象でしたので、「栄養の添加と水の入れ替え」についてはこまめに様子を見ながらメンテナンスをしようと思います。
準備した道具
水草
購入した水草は、ヒドロコティレミニ(オーストラリアンノチドメミニ)という種類です。培養液の入った蓋付きのカップに入り温度の上昇を防ぐため、ワインセラーのような保冷室に収まった状態で販売されていました。
少しみづらくて恐縮ですが、小さな三つ葉のような葉がいっぱいついています。
瓶(縦長のもの)
今回購入した水草は縦にも伸びる印象でしたので、圧迫感が出ないよう縦長の容器にしています。
土
下処理をしたコケ用のソイルを使用しています。
土の下処理方法についてはこちらの記事にて紹介しています。
前回までの内容では「育成方法」に焦点を当てて解説をしました。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://000-log.com/archives/4568 target=blank] 今回はいよいよ植え付け、レ[…]
小石
化粧石としての意味合いもありますが、狙いとしては気過熱を利用して容器内の温度を下げる意図があります。
土に比べ、石は放湿発散性に優れているため、多少は効果が期待できると思います。
10円玉
諸説ありますが、銅板を入れることで銅イオンが水中に溶け出し殺菌効果があるとかないとか、個人的には切花でこれを試した時に長持ちした印象がありましたので今回もお試しです。
ただし銅の過剰摂取も植物には毒になるため、いずれにしても適度に水は変えようと思います。
メネデール(活着剤)など
とりあえず水草に必要な栄養素は含まれているので、コケ同様早めに根付くように1000倍に希釈して様子を見ようと思います。
水草用としているメネデールもあるようですが、成分は同じもののようです。
その他、レイアウト用にピンセットなどの小道具も準備して植え付けに取り掛かります。
植え付け手順
①10円玉
こちらは容器内で露出したり、根に直に触れないよう一番はじめに入れました。
また、人の手垢なども付着しているとカビの原因になるので醤油やお酢につけて表面の汚れをとり、しっかり水洗いしたものを使用しています。
②土
水洗いし、下処理をしたソイルを入れています。下処理の理由はコケの話でも触れましたが、容器内を汚さないために土埃などを洗い流すことと、栄養を取り除き藻やカビの発生を防ぐためです。
③小石
前後を区別し、水草の表情が見えるよう少し傾斜をつけて配置しました。
また水草を差し込む際に苦戦しないよう、事前にピンセットで、中央に差し込み用の穴をつくっています。
④水草
適量をとり、余計なゴミを取り除いた後、先ほど作った穴に根元がしっかりと土に覆われるよう奥まで差し込んでします。
まとめ
植え付けから3週間ほど経過した水草はみるみる成長しています。こまめなトリミングも必要になりそうです。
また、特徴として日に向けて葉を傾ける傾向が非常に強く、表情がとてもわかりやすいです。
コケに比べてなんとも目立ちたがり屋ですね。
水草を育ててみる(体験)、感想
- 成長が早い
- 表情がつきやすい
- こまめなメンテナンスが肝
成長のサイクルが早いので、トリミングや換気、水の入れ替えなど様子をみながらこまめに行おうと思います。
手入れの頻度以外は状態の見分けもつきやすく育てやすい植物だと思います。
私のように複数のテラリウムを育てている方は、いっぱい並べた時に派手な印象も加わるのでアクセントととしてちょうどいいかもしれません。