【応用編①】靴磨きの基本から応用まで!手順を紹介「失敗しない“丸洗い”の手順」

応用編では基本編では触れなかった、革の水洗いやパーツ毎のケア(踵、コバの処理など)について、2回に分けてご紹介します。応用編①は「革靴の水洗い」についての手順のお話です。

革製品を水洗いと聞いて驚かれる方も多いかもしれません。しかし適切な方法でケアを行えば水洗いも可能です。

また、革の内部に不純物が溜まると、銀浮や塩浮といって革の表面が荒れてしまうこともあります。これは皮膚内にたまった汚れなので内側から洗浄をかけないと落とせないこともあります。

シューケアの手順でケアを行なった靴は大雨で水浸しになってしまった革靴でした。基本編では説明を割愛しましたが、鏡面の皮膜を剥がした後に今回ご紹介する水洗いの工程を挟んでいます。

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こんな人にオススメ
  • 靴が著しく汚れてしまったひと
  • 革製品を水洗いしたいひと
  • 革製品のダメージをケアしたいひと

革靴の水洗いはいつするの?

革の肌荒れ治療や予防として水洗いを行います。

表面の汚れはリムーバーなどで落とすことができますが、雨水や水たまりに溶け出したコンクリートの化学物質、汗でたまった塩分など、完全に革に浸透した不純物は肌荒れのもととなり、革の表面の滑らかさを損なう原因になります。

初期の段階であれば、こうした銀浮や塩浮といった症状も革内部の汚れが水洗いで溶け出し除去されることで、元の質感を取り戻すことも可能です。

頻繁に行うものではないですが、革が内部からダメージを帯びる状況になった際は有効な手段です。

革靴の水洗いの手順

使用する道具

革靴の水洗いに使用する道具

  • サドルソープ
  • デリケートクリーム
  • 厚手の紙タオル
  • 馬毛ブラシ
  • シューツリー(あれば尚可)

サドルソープ

サドルソープは保革成分を含んだ石鹸です。水洗いを行う際は専用のブラシとスポンジを使用します。サドルソープを使用することで水洗いをしても革が硬くならないようにケアをすることができます。

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デリケートクリーム

水分を補うために使用します。革製品のケアクリームには乳化性クリーム、油性クリーム、アニリンクリームなど様々な種類がありますが、必ずデリケートクリームを準備しましょう。その理由は後述します。

水洗いの手順

①靴を水に浸す

水に浸した状態の靴

まずは、革全体をしっかり濡らし、革が柔らかくなるまで、水を浸透させます。

その理由は、汚れを溶かし洗い流すことと、この後の工程でサドルソープの成分を浸透しやすくするためです。

②サドルソープを使う

サドルソープ使用時の靴の状態

サドルソープをスポンジで泡立たせ、靴に満遍なくのせていきます。その後ブラシで汚れを浮かしながら洗浄します。これらの工程は付属の説明書に記載してありますので手順どおり行います。

③石鹸をおとす

専用のスポンジで石鹸や汚れを拭き取るようにして落としていきます。サドルソープの成分が革に残るくらいが丁度いい状態です。

滑りや汚れが気になる方は、軽く洗い流してしまってもこの後の工程でカバーすることも可能です。

④水分を拭き取る

水垢など跡が残らないように表面の水分や内側の水分を予め紙タオルで拭き取ります。

擦ってしまうと銀面を傷つける恐れがありますので、拭き取るというよりも紙タオルで水分を吸収するように押し当てるイメージで水気を無くしていきます。

⑤靴に紙タオルを詰める

ある程度水分を拭き取ったら、型崩れしないように靴に紙タオルをしっかり詰めましょう。

⑥乾燥させる

日陰で風通しのいい場所で乾燥させます。急激に乾燥させると革が硬くなってしまう恐れがありますので注意が必要です。

型崩れ防止に入れた紙タオルは表面が少し乾燥してきたら入れ替えましょう。

完全に乾燥するまでは2日くらいかかると思います。定期的に紙タオルを入れ替えて靴の内側もしっかり乾燥させていきます。

⑥デリケートクリームを塗布する

この工程は乾燥と同時進行で行います。

完全に水分が抜けきっていない状態の革靴にデリケートクリームを塗布します。

デリケートクリームを使う理由は、主成分が水分のデリケートクリームは水馴染みがよく油脂やロウの分離、固形化を起こさないためです。

塗布する際は、革の表面が柔らかくなっていますので、指で軽く塗りこんでいきます。

革全体に馴染ませ、一度浸透させます。更に少し時間をおいて乾燥させたらもう一度同じ工程を繰り返します。

デリケートクリームは2回くらい入れておくと乾燥後の靴の状態が良くなります。

また、タンやソール、ヒール、など革の表面以外の部位も忘れずにクリームを塗り込みましょう。

⑦乾燥させる

ある程度乾燥し、形状が安定してきたら一度紙タオルを抜いて内側もしっかり乾燥させます。

まとめ

ここまでで水洗いの手順は完了です。

しっかりと乾燥したら、直ぐにシューケアクリームを塗布し、不足した油分や水分を補給します。

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水洗いをすることで、革の内部に浸透した汚れを溶かし、洗い流すこともできますが、乾燥の際に繊維の水分も抜けてしまうため、革に必要な水分を補いながらケアをすることが重要です。

また革が硬くなってしまうと形状も固定されるため、型崩れ防止措置も忘れずに行いましょう。

応用編②では「つま先、踵の保護、シューレースのケア、コバの処理、ソールの処理」といったパーツのケアに関する手順をご紹介します。

応用編②はただいま準備中です。今しばらくお待ちください・・・。