今回は革靴のソール張り替え手順や仕上げの処理についてのお話です。
実際に補修を試みたことで感じたことやプロへ依頼する場合との違いについてまとめています。大事な革靴を修理にだすか迷っている方は参考にしてみてください。
- ソールの張り替え手順を知りたい人
- 修理をする際の予算を知りたい人
- プロへの依頼で失敗した経験がある人
靴を自分で修理しようと思った経緯

トップ画像のとおり、お気に入りの靴に穴が空いてしまっているわけですが、実はこの現象はこれで2回目です・・・
最初に穴が空いた時は近所の修理専門店に依頼をし、破損したオールソールと同じのもので張り替えてもらったのですが、ソールそのものが薄いらしく結局すぐにダメにしてしまいました。
さらに、修理に出したはいいものの、修理直後ウェルト糸(ソールとアッパーを繋ぐ糸)が切れてしまい、職人さんの技術上の問題だったため再補修をしてくれたのは良いのですが、雑な修理をされてしまい元の状態に戻そうとすると追加費用がかかるという話まで出たので、理不尽だなと思いつつ、それ以上の相談はできそうになかったため、そのまま履き続けたという経緯もあります。
- ソールが粗末だった
- 修理が雑だった
- 靴の形や丁寧に手入れしたアーパーの革は非常に気に入っていた
という、以上の3点からもう修理依頼はしたくないけど、この靴を履きたいという思いから自分で補修をすることに決めた!と、いうのが今回の経緯です。
ついでに以前から試したかったコバ(靴底の側面)の補修もやってみようと思い、この状況を”楽しむ”こととしました!
補修に使用したツール

ー 使用する道具 ー
- コルクボード
- マスキングテープ
- 紙やすり(#80,#100)
- 耐水やすり(#120,#240,#400)
- ガラス片
- ソール半張り(Vibram 7673)
- ボンドG17/クロロプレンゴム系(KONISHI)
- エッジカラー(コバインク)
- コバワックス
- コテ(角コバ型、イチョウ型)
- 木槌
作業工程は大きく分けて「ソールを貼る、形を整える」といったところですが、古い汚れが付着していたり、下処理が甘いと、「ソールを綺麗に貼れない、コバの仕上がりにムラが出る」と、いった問題が発生します。
それらを想定して、ヤスリがけが非常に重要になるので、細かな仕上げは耐水やすり(#240,#400”#120はなくてもOKです”)で対応し、荒目のやすりはコバの古いロウを落としたり、張り替えたソールの粗を整えるのに使用しています。
その他普通では見ないコテはこちらで購入しています。
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ソール張り替え手順
穴を埋める

- 穴にコルク片を詰める
- シート状のコルクボードと接着剤で穴を塞ぐ
- やすり(#100,#120)で底面を整える
本来であれば、ソールを剥がし、コルクの詰め直しを行うようですが、そんな技術はないので、手っ取り早くコルク片で穴を塞ぐ方法で対応しました。コルクはへたってくるので、パンパンに詰めています。
ソールを接着しやすくするため、汚れや砂の除去を兼ねて塞いだ穴と底面が平滑になるように満遍なくやすりがけをしています。
ソールをはる

- ソールを適当な大きさにカット
- 接着剤を満遍なくソールに塗る
- ビブラムソールをはる
- 木槌で上から叩いて圧着させる
使い古した靴の底面は反り返るように歪んでいるので満遍なくソールをはり付けるのに苦戦しました。
接着剤が乾いてソールがしっかりと貼り付けられるまで手で押さえて固定し、ある程度固まったら木槌で叩くといった作業です。接着剤は後で処理をするのではみ出してもOKですが、反り返りに合わせて少しづつ貼ったり、ゴムチューブなどを巻き付けて固定させても良かったかもしれません。
コバの下処理

- 紙やすり(#80)でコバのロウとはみだしたソールの粗を削る
- 耐水やすり(#240)でコバの表面を整える
- ガラス片をコバに沿わせて更に削る
- 耐水やすり(#400)で仕上げ
靴のコバには防水をして靴が傷まないようにロウが塗られています。手作業で削るのは少し大変かもしれません。電動ルーターがあると剥がしやすいです。
ガラス片の工程は省略しても構いません。コバがムラなくツルッとできればなんでもOKです。ポイントとして、耐水やすりは水で濡らして使用します。コバは革なので繊維にやすりが残らないように水分が潤滑剤の役割を果たしてくれます。
コバインクを塗る

- 馬毛ブラシで埃を落とす
- コバインクを塗る
- ホコリが付着した場合はピンセットで取り除く
コバの下処理をしたら、ワックス仕上げの前に下地を染めていきます。コバインクは水性のものを使用しているため、あくまでも補色として使用しています。埃が入るとコバワックスを塗った際凸凹になるので注意が必要です。
シューケアの豆知識として、部分的にコバの削れだけ目立たなくしたい場合もエッジカラーは有効ですが、その上から油性クリーム(サフィールクレム1925)を塗ると色落ちがしにくくなります。
コバワックスの仕上げ

- 馬毛ブラシで埃を落とす
- ワックスを塗る
- 温めたコテでワックスを溶かす
- 豚毛ブラシやウエスで磨く
ワックスはクレヨンのような要領で塗っていきます。厚塗りしすぎると履いている時に割れる可能性があるので、ロウが溶けて革に馴染ませるイメージで仕上げました。
技術の問題かロウが曇ったり、ロウを塗ると埃が付着しやすくなったので、仕上げは豚毛ブラシで埃払いながらに磨き上げました。ここはシューケア好きのこだわりポイントです。通常は平織りの布などを使うようです。
ソールを張り替えのメリット、デメリット

自分で修理をする場合とプロへ依頼する場合の特徴をまとめました。
| 自分で修理 (DIY) | プロに依頼 (専門店) | |
|---|---|---|
| 費用・コスト |
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| 仕上がり |
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| 所要時間 |
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| 信頼・リスク |
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自分で修理をする場合
日常的にシューケアにこだわりをもってされている方はコバの補修における技術の習得と靴に関する知識が養われるのが最大のメリットです。
靴の美しさを自分で惹き出せることと同時に、仮に依頼をする場合も仕上がりに関する細かな相談も可能になると思います。反面非常に労力のいる作業ですので、余力があり楽しみながらできる方におすすめです。
プロに依頼する場合
技術の安定性と構造的なダメージ全てを網羅的に担保できる専門知識や専用機材を使用した修復にはやはり安心感があります。
ただし、私が経験したようにお店選びを間違えると、大切な靴が粗末な扱いを受けるリスクがあります。
ー お店選びのポイント ー
- 要望を相談できるか
- 再補修などの際の保証があるか
- 信頼や実績があるか(レビュー参照)
参考として、下記のようなプラットフォームを利用すると過去のレビューや職人さんとのチャット相談から、自分の「こだわり」を理解してくれる職人さんを見つけやすいかもしれません。
まとめ

作業時間にして約2週間。やはり素人作業なのでムラはありますが、おおよそは綺麗にできたのではないかと満足しています。
ガタついたソールなので、しっかり接着したはずがソールが浮いてしまったり、下処理が雑になりコバの仕上げに影響した部分もありますので、ここは改善が必要な点です。
シューケア好きとしては、コバの補修を自分でできることが確認できたのでその点が非常に楽しめました!
また、技術を応用することで必要以上に分厚いソール(ウェルト)の靴を買ってしまった場合などは自分でデザインを変えてしまうのもいいかも?と考えていたりします。労力はかかりましたが、こだわりの靴に自分で仕上げるための可能性を広げられた体験が何よりも嬉しいものです。
気になる履き心地も全く違和感なく良好です!